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延命寺について

延命寺(えんめいじ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある、曹洞宗の寺院で、伊豆最勝院の末寺です。

山号を鳳凰山と称し、寺紋は御本尊の厨子に描かれている十六菊紋。1024年に宇久井の西側の海岸に打ち上がった地蔵菩薩を奉ったのが寺院の始まりだと伝えられている。
開基は、最澄の母・明徳(妙徳尼)の一族と伝えられる説と、1321年に熊野別当の定有が創建した大雄禅寺を再建した寺院という説があるが、詳細は不明です。

1498年の明応大地震で発生した大津波で流された寺院を曹洞宗の伊豆最勝院第五世角天禪麟大和尚が再建し、それ以後、角天禪麟大和尚が開山とされているが、詳細は不明。

當寺の古文書には、宝永大地震の被害を記した書物が残されているため、宝永大地震では、當寺の被害はなかったと思われる。現在の本堂は、1700年代に火災で焼失した本堂を再建したものです。


本尊は平安時代末期の1024年に海から流れてきた延命地蔵菩薩であると伝えられ、霊験あらたかな北向地蔵であります。當寺の古文書によると、平安時代末期の1024年に、当地区の宇久井の浜に打ち上がった仏像を安置したのが始まりとされています。


熊野別当創建の大雄禅寺について
那智山阿弥陀寺の古文書によると、創建当初は現在のJR宇久井駅及び宇久井小学校周辺に存在したと伝え、多くの伽藍と宿坊と五重塔がそびえ立つ大寺院であり、阿弥陀寺はその末寺であった。しかし、大津波による破壊により、大伽藍は壊滅した、という古文書が残されていた。しかし、1981年(昭和56年)の本堂全焼にて古文書は焼失した。
また、近隣の新宮市佐野の天御中主神社によると、延命寺の前身の寺院は神仏習合の神宮寺であり、熊野別当創建の大雄禅寺であったという。天御中主神社はこの寺の境内に祀られていた。また、この寺院は、最澄の母・明德の出身の部族・石垣家の菩提寺として創建されたという記録が残っている。(http://www.wakayama-jinjacho.or.jp/jdb/sys/user/GetWjtTbl.php?JinjyaNo=8005)

大伽藍を有していた大雄禅寺は、1498年9月11日(9月20日)(明応7年)に発生した明応大地震(東海・東南海・南海地震連動巨大地震)の大津波により、大伽藍は壊滅し、大雄禅寺は消滅したと考えられておりますが、詳細は不明であります。
また、かつてこの大雄禅寺所有していた「梵鐘」は、兵庫県姫路市にある英賀神社に所蔵されており、国の重要文化財に指定されております。

昭和初期、現宇久井小学校および現JR宇久井駅の改修工事の際には多くの墓地跡と人骨が発掘され、延命寺の無縁塔に納骨された事実があるため、前項は事実と考えられており、歴史的な開創年代は平安時代ごろであると伝えられています。

再建・曹洞宗時代
明応大地震により破壊された伽藍を復興再建したのは、伊豆最勝院の僧侶であった。紀南地方の多くの曹洞宗の寺院が最勝院の末寺であるが、災害後の復興再建に尽力した僧侶との関係があったと思われる。 また、前住の三人の和尚が再建に深く関わっており、特に安室宗閑大和尚の墓石が残っており、「中興安室宗閑和尚大禅師」の記載が確認できています。

本尊延命地蔵菩薩
本尊の延命地蔵菩薩は寺蔵の縁起によると万寿元年(1024)に海中より出現したものといわれ、大仏師法橋上人定朝(天喜5年〈1057〉没)の作と伝えられ、寺号の由来はこの地蔵菩薩によるものである。

薬師瑠璃光如来
江戸時代末期まで那智勝浦町宇久井の湊地区に存在した寺院に御本尊として祀られていた薬師如来と十二神将が廃寺により、延命寺で祀られるようになった。不思議な出来事が数多くおきており、身体全身をどこであっても治すと言われ、霊験あらたかな薬師として信仰を集めている。

その他
西行は當寺の隣の目覚山の詩を残している。「目覚山下す有らしのはげしくて 高根の松は寝入らざりけり」

山門(赤門)
※ 本堂と山門が朱塗になっているのは、大雄禅寺の赤門を移築したことに由来している。(現在は再建したものであります)

延命寺の年間行事

12月31日(土)除夜の鐘 午後11時45分から打ち始め
1月1日(日) 初詣・御寺参りと先祖のお墓参りをしましょう。
1月10日(火)午前10時から 南龍講 紀州徳川家初代「德川頼宣」祥月命日供養の会
1月15日(日)午後2時開場・午後2時半開演 延命寺寄席        
2月15日(水)涅槃会(お釈迦さまがお亡くなりになった日)
3月20日(月・祝)春の御彼岸の中日
3月29日(水)午前10時から 羽山源兵衛供養会
4月8日(土)花祭り釈尊降誕会(お釈迦さまが御生まれになられた日)
4月24日(月)午前10時から 豊川稲荷大祭・午前十時半から 地蔵講春季大祭
5月12日(金)午前10時から 摩利支天祭
7月下旬 延命寺境内夏期大掃除
8月15日(火) 午前10時〜 延命寺施食会
8月24日(木)午後6時〜地蔵盆
9月23日(土)秋の御彼岸の中日
10月24日(火)午前10時〜 地蔵講秋季大祭
12月下旬 延命寺境内冬期大掃除
12月31日(日)除夜の鐘 午後11時45分から打ち始め